みみの困りごと

[良性発作性頭位(りょうせいほっさせいとうい)めまい症]

・頭をある特定の位置に動かした時(寝返りをうったり、起き上がったりするときなど)に数秒から数分間、グルグル回るようなめまいがおきる病気です。めまいが治まっても気分が悪い時間が長く続くこともあります。その病名の名の通り、「良性」の「発作性」におこる「頭位」(頭の位置を変えることで起きる)めまいの病気です。
・耳は3つの部屋にわかれていて(外耳―中耳―内耳と音が伝わっていきます)、その奥の内耳の中に三半規管という平衡(へいこう)感覚をつかさどる部分に一時的な異常が生じる病気です。三半規管に元々ある耳石(じせき)と言われる石が悪さをしていると言われています。耳鼻咽喉科領域のめまいの中で最も頻度が高い病気で(約30%をしめるといわれています)、良性の心配のないめまいです。高齢な方に多いといわれていますが、子どもさんや若い方にもよくみられます。
・診察時に特殊なメガネをかけて頭を動かしながら目の動きを観察して、眼振(目が勝手に動く現象)を確認して確定診断となります。例外を除き、耳鳴り・難聴は生じることはないと言われています。
・当院受診時にはすでにめまいがなくなっていることもあります。その時は症状から推測して、良性発作性頭位めまい症疑い(だろう)と診断することもあります。

治療内容

□激しいめまいが少し治まってきたら、わざとめまいを起こす頭の位置や体の位置を繰り返すと、回復がはやくなると言われています。具体的な運動療法を別な用紙でお渡ししますので、可能なかぎり試してみて下さい。リハビリみたいなもので、この療法を行うことで、治るまでの期間が短くなります。

□めまいを抑える薬を処方します。
(この薬は、残念ながらめまいを治す薬ではありません。頭痛時に痛み止めを飲む行為と似ていて、あくまでもめまいを治すのではなく、「抑える」薬です。)