みみの困りごと

[耳垢について]

・耳垢は外耳道(耳の穴から鼓膜までの部分)に誰もがたまります。耳垢には、乾燥した耳垢(乾性耳垢)と、どろっとした柔らかい耳垢(湿性耳垢)があります。日本人の約70%が乾性、30%が湿性といわれています(欧米人は比率が逆になるようです)。湿性であるから病気ということはありませんが、湿性の耳垢の方の方が耳の通り道をふさいでしまうことが多いです。ただし、乾性であれ湿性であり、耳垢の溜まる速度には個人差があります。
・健康な外耳道をお持ちの方は、外耳道の皮膚が耳の外側に自然にベルトコンベアーのように移動して耳垢を自然と耳の外に押し出す力を持っています。そのため、毎日のように耳掃除をする必要はありません。逆に耳掃除のし過ぎは、かえって耳垢を奥に押し込んで固めてしまうため、耳の中に耳栓をされたようになってしまい、聞こえが悪くなることがあります。また、外耳道を傷つけて外耳炎になる可能性もあります。ただし、お子さんや高齢者の方、外耳道の狭い方など、耳垢が詰まりやすい方がいらっしゃることも事実です。

耳掃除の仕方

・先ほど申した通り、毎日耳掃除をする必要はありません。やりすぎると耳を傷つけて外耳炎になる場合もあります。
・月に1~2回程度、必要あればごく浅い部分のみ行うにとどめ、耳の奥は極力触らないことが重要です。他の人に掃除をしてもらうときも同様です。
・用いる道具も、清潔な綿棒など刺激が少ないものが良いでしょう。
・どうしても気になる方、お子さんやお年寄り、耳垢が詰まりやすい方は、3~6か月に1回程度、当科を受診して耳掃除をしてもらうことをお勧めいたします。耳垢の除去は立派な医療行為として認められています。